低用量ピルってどんな薬なの?

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低用量ピルとは

ピルと女性 妊娠を避けたいときに使われる経口タイプの避妊薬です。避妊効果以外にも、月経不順の改善、婦人科系疾患の予防・治療、また、ホルモンの乱れからくる肌荒れの改善など様々な効能を持っています。

低用量ピルは別名「OC(低用量経口避妊薬)」とも呼ばれていて、1つの錠剤の中に「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つの女性ホルモンが含まれています。毎日、1錠ずつ正しく服用することで、高い効果を示します。

経口避妊薬の始まりは、1960年アメリカです。発売当時は現在とは違い、高用量ピル(ホルモン量が多い)が使用されていました。しかし、高い効果の反面、副作用も酷かったため好んで使う人は少なかったでしょう。その後開発が進み、中用量ピルへと改良、さらに1970年には低用量ピルが誕生しました。

欧米諸国と比較して、日本ではまだまだ利用率の低い経口避妊薬ですが、その理由は効果や副作用を誤解していたり、性教育の遅れが指摘されています。

海外での普及率

日本は先進国ですが、海外と比較してピルの普及率がとても低いです。
参考:world contraceptive use 2013
フランス 40.6%
ドイツ 37.2%
オーストラリア 30.0%
イギリス 28.0%
アメリカ 16.3%
日本 1%
特にフランスは、普及率40.6%に対しコンドームは4.7%のみで、ピルによる避妊が圧倒的です。

低用量ピルの効果

ピルをもつ女性 使い方を間違えなければ、99.9%の確率で避妊出来ます。複雑なバランスで構成された2つの女性ホルモンが、身体に3つの作用をもたらし妊娠を防ぐことが出来ます。

飲み始めて8日目以降から避妊効果を得られます。

避妊効果

▼性腺刺激ホルモンを抑える
女性ホルモンと同じ作用のある「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2つの成分が配合されています。毎日、少量ずつ体内に摂り入れることで、「女性ホルモンが満たされている」状態を作り出します。そして、脳はそのホルモン充実の信号を受け取ると、「妊娠している」と認識します。

そうすると、性腺刺激ホルモン(LH、FSH)の分泌量を減らし、排卵と卵胞の発育が抑えられます。

▼子宮内膜の増殖を抑える
子宮内膜の増殖にはエストロゲンが関わっています。服用によりプロゲステロンの血中濃度を高め、エストロゲンの動きを鈍くして、子宮内膜が厚くならないように抑えます。

本来、エストロゲンは妊娠に備えて子宮内膜を増殖させ、受精卵が着床しやすい環境を作る作用があります。増殖を抑えることで、万が一排卵して受精したとしても、受精卵が着床しづらい(妊娠しづらい)環境にします。

▼子宮頸管粘液を変化させる
子宮頸管粘液の粘度を変化させて、精子が通りづらい状態にします。子宮頸管は、膣と子宮をつなぐ精子の通り道で、頸管粘液はその道を満たしている粘液です。通常は生理の周期に合わせて分泌量が増減しますが、頸管粘液が十分に整っているときに性行為を行うと、精子が卵巣まで進みやすくなります。

これを、プロゲステロンの作用により頸管粘液の粘り気を上げて、精子が卵巣に辿り着けないように足止めします。

子宮周辺への効果

「エストロゲン」と「プロゲステロン」には、避妊以外にも様々な作用があります。

▼生理周期を整える
周期の乱れはホルモン量の変化に関係しています。毎日少量ずつ、一定の期間飲み続けることでホルモン量が安定化し、毎月決まった時期に来るよう整えることが出来ます。生理不順で医療機関を受診した際に処方されたりもします。

また、整えるだけでなく、意図的に生理日を変更することも出来ます。

▼PMS、月経困難症が軽減される
軽度や重度、個人により差が開きますが、生理が来るたびにPMS(月経前症候群)や月経困難症に苦しんでいる方も多いと思います。生理というだけでも憂鬱ですが、さらに下腹部の痛みや頭痛といった不快感を伴うので生理がどんどん嫌になってしまいます。

これにも女性ホルモンが深く関係していて、服用によりホルモンを整える作用からPMSや月経困難症の嫌な症状を軽減することが出来ます。

▼婦人科系疾患の予防・治療
子宮内膜の増殖を抑制するので、子宮内膜症を改善することが出来ます。また、子宮がんや卵巣がんの予防が出来ることでも知られています。近年では、排卵は卵巣にストレスがかかるという考えが増えており、ピルを服用することで排卵が抑制されるため、予防につながるとされています。

他にも、良性乳房疾患、骨盤内感染症などの発生リスクを減少させる作用もあります。

低用量ピルの副作用

避妊以外にもたくさんの効果がありますが、副作用もあります。 感じ方は人それぞれですが、飲み始めの時期に顕著に症状が表れます。1~2週間程は、不正出血や吐き気が続くことがあり、他にも腹痛や下痢、便秘といった消化器官が不調になることもあります。

ほとんどの場合、こういった症状は服用を続けることで身体が慣れ、次第に治まっていきます。ですが、症状が酷い場合には無理はせず、服用を一旦止めて医師に相談しましょう。かなり稀ですが、血栓症の発生、血栓症の悪化といった副作用が出る危険性もあります。おかしいと思ったら、どんな症状が出ているのか?ちゃんと確認しましょう。

血栓症よりもさらに稀ですが、乳がんや子宮頸がんの発生率が上がるとされています。そのため、長期間(5年以上)服用している方は、定期的にがん検診を受けましょう。


低用量ピルの飲み方

コップと薬 飲み方はとてもシンプルで、「1日1錠、毎日決まった時間に飲む」たったこれだけです。初めて飲むときは、通常、月経の初日から飲み始めます。この方法を「Day1スタート」と言い、当日から避妊効果を得ることが出来ます。

▼21錠タイプ
1日1錠、毎日同じ時間に飲みます。1シート(21錠)全て飲み終えたら、7日間は服用を休みましょう。

▼28錠タイプ
1日1錠、毎日同じ時間に飲みます。1シート(28錠)全て飲み終えたら、服用を休まずに次のシートに入ります。28日間のうち最後の7日間は成分のない偽薬(プラセボ錠)を飲むことになります。

どちらの場合も、実薬(有効成分の入った錠剤)を飲むのは21日間だけという原則は変わりません。
他にも、月経開始後、最初の日曜日から始める「Sundayスタート」、月経に関わらず飲み始める「クイックスタート」という方法もあります。この2つの方法の場合、最初の7日間は避妊効果は得られませんので気をつけてください。

休薬またはプラセボ錠の期間に月経が来なかった場合、飲み忘れがなければ、そのまま次のシートに入ります。2シート目が終わっても月経が来ない場合は、医師に相談してみましょう。

就寝前や起床後、食事の後など、普段欠かさず行っている行動とセットにして飲むようにすると、飲み忘れしづらくなります。

飲み忘れても大丈夫?

99.9%の避妊率を保つためには、服用方法を守るのが絶対条件です。しかし、事情により飲めなかったというときのために、対処法も確認しておきましょう。

飲み忘れに気付いたら、その時点ですぐに飲みましょう。半日程なら、効果が途切れることはありません。1日(ちょうど24時間)あいてしまったときは、いつもの予定時間に2錠飲んで、以降は通常通り1錠に戻します。2日以上飲み忘れた場合、残念ながら避妊効果は途切れてしまいます。この場合、飲み忘れのあった日から7日間までは服用を止めて、新しいシートでまた最初から始めましょう。

低用量ピルの費用はどのくらい?

日本国内では、ピルは処方箋がなければ購入することが出来ません。また、避妊目的の場合には保険が適用されない自由診療になります。ですので、受診する医療機関によっても費用が違ってきます。

国内で入手する場合、ピルの大まかな値段は1シートあたり2,000~3,000円程です。初診料(再診料)や診察料がプラスされますが、以降は薬代だけになります。ですが、場所によってはまとめ買いが出来ない場合もあるので、定期的に通うことにもなります。初めての場合は、事前に電話やホームページなどで処方の可否、費用についても併せて確認しておいたほうがいいでしょう。

薬局でも買える?

薬局で薬をもらう女性 先ほどもお話ししましたが、処方箋が必要なので、残念なことに薬局やドラッグストア、楽天やAmazonなどの大型サイトですらも購入することは出来ません。

しかし、通販を通して海外から個人輸入するという手段があります。全てが自己責任になりますが、病院に通えないといった事情がある方、費用を抑えたい方には便利です。しかし、偽物のトラブルに巻き込まれないよう注意が必要です。医薬品は自分が安心出来る場所から入手するのが1番大切です。


正しく飲んでちゃんと避妊

コンビニなどで手軽に手に入るコンドームと比較すると、金銭面でも負担はかかりますが、ピルは服用方法を間違えなければ妊娠に怯えることはありません。それだけではなく、婦人科系疾患の予防にもつながります。

中絶という辛い選択を避けられるよう、自分の身体は自分で守りましょう。

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